環境マネジメントプロジェクト

委員会の目的

ISO14001の認証取得にこだわらず、自治体の望ましい環境マネジメントシステムのあり方を検討し、「環境自治体」を標榜するにふさわしい環境マネジメントシステムを提案する。

委員会の構造

委員会の構造

委員(50音順、所属等は2001年3月当時)

活動概要

2000年度の主な活動は以下である。

  1. 新委員委嘱のお願い
    新たに飯田市長、豊中市長、古川俊一・筑波大学教授、高島茂樹・自治省行政局行政体制評
    価室室長に委員委嘱をお願いし、承諾いただいた。
  2. 昨年度の議論の整理と今年度の方向性案を事務局で行った。

委員会の開催

【第3回環境マネジメントシステム専門委員会】

日時:2000年11月30日(木)15:00〜17:00
場所:日本染色会館会議室
出席:事務局、オブザーバー含め出席者約30名

議事概要:

1)会員自治体の近況報告

 次に会員自治体の環境マネジメントの近況報告の時間を持った。

 馬場融弘・日野市長からはISO14001の本審査終了、ごみ改革、ポイ捨て条例について紹介された。ISO14001取得で縦割だった公務員体質が改善され職員意識改革につながったこと、ISO14001取得とごみ改革の相乗効果が出た経験を踏まえて環境政策とISO14001取得を併せて進めることが環境保全に有効であること、ごみ改革(それまでダストボックスに捨てていたものを個別収集に切り替える、20リットル40円のごみ袋を市民に購入してもらい分別かつ9品目をリサイクルに回す等々)でごみが4割削減などが報告された。

 田中暄二・久喜市長からは、久喜市の概況紹介、環境基本条例制定(1996年)以降の環境政策の進展、ISO14001取得について紹介された。環境政策の進展で目覚ましい成果をあげているのはごみ対策。15分別徹底によって、35%減量でき、かつダイオキシン発生も97ナノグラムだったのが0.2ナノグラムに減ったとのこと。導入当初出た市民からの苦情も、数字を発表することで理解が進み、少なくなったという。今後は焼却炉をなくすことで生ごみの資源化をめざしたいと抱負を語った。また、ISO14001は外部のコンサルタントに委託せず1999年11月に認証取得、市民より好感をもって受け止められているとの報告があった。今後の課題には環境会計導入、事務事業評価システムの検討であるとのこと。

 古田武志・飯田市助役は当委員会初、パワーポイントを使ってのプレゼンテーションで、参加者の注目を集めた。飯田市の概要、ISO14001取得、ISO14001の運用、いいむす21(ISO14001の基本的な取り組みを簡易システムとして市の支所などすべての出先機関で展開する環境保全活動)、天竜峡エコバレー、地域ぐるみ環境ISO研究会、今後の地域へのマネジメントシステムの展開、ISO14001自己適合宣言の体制・仕組みづくり、環境ネットワークいいだなど、飯田市役所に限らず地域、流域での環境マネジメント推進の現状や将来展望について紹介した。プレゼンテーションの締めは飯田市の語源「結い」。独自の環境マネジメントの地域への拡大のいくつかの試みについては、ネーミングの妙もさることながら、事業者や市民との良好な協力関係がとくに参加者の関心を惹いていた。

 川崎健次・豊中市環境企画課(市長代理出席)は、豊中市の環境基本条例制定以後の環境マネジメントの概要と環境報告書作成プロセスや課題を紹介した。豊中市では環境基本計画とローカルアジェンダを共通目標設定でつなぎ、市と市民・事業者ネットワーク組織である豊中環境市民会議との対話で環境政策推進を図っている。環境報告書の中間案についての公開討論会開催や、報告書の構成(市の環境の取り組みと豊中環境市民会議の活動報告のカップリング構成)など、対話の一部が報告された。

 田原迫要・指宿市長は、まず指宿市の概況を紹介し、その後(1)家電リサイクル法対策、(2)市が買収したある島の利用策、(3)池田湖水質改善対策のための汚水処理施設建設、(4)菜の花マラソン、菜の花マーチを利用した市民への環境教育政策についての課題を挙げた。家電リサイクル法対策では不法投棄されたものの回収費用の自治体の負担が予想されるため製造者責任策の徹底が必要であること、池田湖畔の汲み取り料金が年2000万円であるほか汚水処理施設建設も莫大な費用が見込まれることなど、一自治体だけでの対策や費用では困難な環境保全対策もあり、国や企業との連携がますます必要と指摘した。

2)環境マネジメントと行政評価の意見交換

 休憩をはさんで後半は、「環境マネジメントと行政評価」に関する意見交換をもった。まず、高島室長が自治省の行っている地方自治体行政評価研究会の研究を踏まえて、行政評価の取り組み状況や円滑な導入について紹介した。行政評価導入の今後の課題としては(1)議会と行政評価の関係、(2)監査委員の行う監査等と行政評価の関係、(3)第三者機関や住民による評価、(4)予算と行政評価との関係、(5)正確なコスト把握、(6)地方公共団体間の比較ができる行政評価、(7)情報技術(IT)の活用を挙げた。

 次に古川俊一教授が、評価の概念の史的変遷、市民参加の類型・発展、評価プロセスにおける市民参加の展望、日本での取り組み事例について、『行政評価の潮流』(西尾勝編著、行政管理研究センター、2000年)所収論文のエッセンスを紹介した。 さらに、中口所長がこれまでの部会や行政評価チームの議論や調査結果もふまえ、環境マネジメントシステムと行政評価システムのリンクの考え方と事例について紹介した。

 その後、委員会終了までかなり限られた時間だったが、このテーマについての意見交換を行った。主な意見は以下のとおり。

「行政評価という日本語は英語にすると通用しない」「評価手法は政策の意図と対象が明確になれば自ずと決まってくる」「自治体は立地や諸事情から抱える環境負荷も取り組みも異なるので、評価手法は自治体によって異なって然るべき」「市民参加がないと評価の正統性は確保されない」「評価するからには予算配分などに結びつかないと意味がない」「評価の基本は効率性と有効性。これに環境の側面からの評価をどのように加味するかではないか」

部会・行政評価チームの開催

【第2回行政評価チーム】

日時:2000年9月19日
場所:市民運動全国センター会議室

議事概要:

 中口(環境政策研究所)が、豊中市を例に、豊中市の事務事業評価調書の構成要素を紹介し、
その環境マネジメントシステムとのリンクの可能性について問題提起し、討議した。

【第5回部会】

日時:2000年11月9日(木)13:30〜15:30
場所:市民運動全国センター会議室
出席:事務局含め4名

議事概要:

まず、昨年度1年間の到達点と水俣会議以降の活動について角田より報告。次に10の論点案の整理案を提案し、了承した。さらに、当プロジェクトの最終成果の事務局案について検討し、現段階の最終成果のイメージとして以下のように案をまとめた。

なお、あと2回程度、部会を開催し議論不足の課題について議論することとした。

(文責:角田季美枝、中口毅博)