環境自治体ワークショップ in 山形

1999年10月8日〜10日、山形県遊佐町、八幡町などにおいて標記のワークショップを開催した。参加者は部分参加を含めて約200名。第1部は遊佐町、八幡町の主要施設をまわるフィールドワークの後、遊佐町の「湯楽里(ゆらり)」において、交流会(8日夜)、全体討議(9日朝)が行なわれた。

全体討議は、環境自治体会議共同代表である北海道池田町長の司会で行なわれ、須田春海事務局長の基調報告の後、農業協同組合経営研究所の今野聰氏、結環境計画室の原田実氏、東北芸術工科大学の小林敬一氏による話題提供があり、その後、事務局から8日に行ったアンケートの結果報告、滋賀県野洲町長、八幡町長、遊佐町長からそれぞれコメントがなされた。

今野氏の話題提供においては、生協の農産物などを通じた遊佐町と都市の交流をふりかえりつつ、遊佐町の豊かな水環境を生かす形での環境保全型農業の必要性などを論じられた。また、原田氏の話題提供においては、各地のリゾート計画などに関わられた経験から、開発の中で自然環境をできるだけ保全するためのさまざまな仕組みの提案がなされた。小林氏の話題提供においては、遊佐町や八幡町の各種の計画に携われた経験から、両町のもつ課題をまちづくりの観点から整理され、自然保護とまちづくりとの連携をどのように図っていけばよいかについて、基本的な方向性が示された。

アンケートは回収総数20枚であったが、現在進行中の共通目標の議論に関連させて、遊佐町、八幡町、全国の農山村自治体で取り組んだほうがよいと思われる「施策」について、非常に参考となる結果が出た。全国の農山村自治体については、森林の管理や育成、資源循環型農林業についての意見が多く出された。

遊佐町の施策については、半数以上の方が「担い手の育成、都市との交流」を挙げられ、現在も行なわれている交流に対する大きな関心が裏付けられた。具体策としては「Iターン」や「ワーキングホリデー」を積極的に活用し、環境学習や環境教育の場としても農業を考えていこうという方向が示された。

八幡町の施策については、多くの方々が「イヌワシ保護から共生の視点を学ぶ」「自然を損なわないような観察会などを」「大人のためのヒーリング施設になるのでは」などと自然を利用しつつ、イヌワシなどの生態系と共存するまちづくりについての意見を出され、検討課題として、自然保護とまちづくりに関しての自治体のネットワークづくりも挙げられた。

全体討議の後は、5つのコースに分かれて、前日より詳細なフィールドワークが行なわれた。

ワークショップ最後のイベントは、「イヌワシシンポジウム」で、鳥海山山麓に計画されている諸事業についての事例報告と、鳥海山に親しんでいる人々による、自然環境の保護と地域活性化の取り組みについての議論の二本立てで行なわれた。

事例報告では、秋田大学の小笠原ロ氏が鳥類の専門家から見た鳥海山の自然について、環境庁野生生物課の森康二郎氏が環境庁猛禽類保護センター(鳥海山中腹に建設中)の計画についてそれぞれ報告された。続くパネルディスカッションでは、小笠原氏のほか、山形県環境保護課の吉井玄亮氏、「やわた八研隊」の後藤泉氏、鷹匠の松原英俊氏がパネリストとして、小林敬一氏がコーディネーターとして、それぞれの主体の取り組みを発表され、森氏と八幡町長がコメントを行った。

(文責:増原直樹)