滋賀県野洲町 山ア 甚右衞門町長
野洲町は人口約3万6000人、面積4,051haの滋賀県湖南部に位置する町。「近江富士」と呼ばれる三上山のふもとに広がり、野洲川・日野川と2本の河川にはさまれた肥沃な土壌を生かし、稲作を中心とした農業も行なわれている。
山ア町長は平成7年に就任し、現在2期目。町長就任前は助役を10年間務められた。町長就任後は、「時代が変わっている」との認識のもと、「ひと」に焦点をあてた行政に取り組まれている。取り組みのキーワードは「コミュニティの育成」「協働主義」「地方主権の確立」の3つ。こうした行政を外部へアピールするCI戦略として「ほほえみ やすちょう」を掲げ、基本理念として「人権と環境を土台に 生きる意味が実感できる社会」をめざすことが示されている。
こうした取り組みの中で特徴的なことは、人口の約7割を占めるようになった新住民の感覚を取り入れてきたということ、また政策が中心となる自治体を目指してきたことである。具体策としては、職員の中に政策担当をおいたこと、また広聴機能の充実、情報公開などが挙げられる。また、人事評価の改革がユニークである。部下を上司が評価するというのは通常であろうが、野洲町では上司を部下が評価することも始めた。これによって、上司も自分の立場を考えるようになり、部下の信頼を得るように意識が変わってきたという。
環境政策面では、植物性ディーゼル燃料の公用車使用やグリーン購入の推進など役場における取り組みを実施しており、また太陽光発電の施設設置(単独)やコンポスト購入の補助制度の制定、また地域における分別収集推進のため「クリーン推進員」を配置してもらい、啓発活動の実施により着実に効果をあげ始めている。現在は、可燃ゴミの20%削減を目標に各地域に職員が入り、取り組みを進めている。。役場では平成12年度中を目標に、ISO14001の認証取得作業にも着手。コンサルタントに頼らない、職員による取得作業の中で、職員の環境意識を上げていきたいということだ。
今年度からは、滋賀県のエコライフモデル地域(野洲町内の自治会)に選ばれたり、地域新エネルギービジョンの策定に取りかかるなど、これまで町が取り組んできた個別事業をまとめあげる方向へ動きつつあるといえよう。さまざまな改革が進み、役場と住民とのパイプがしっかりとできつつあるように感じられるこの町で、滋賀県でまた一つ、全国からみて先駆的な環境自治体の芽が出ることを期待したい。