第11回環境自治体会議 屋久島宣言
屋久島は古来、山岳信仰の島であった。島人(しまびと)は、自然の摂理のま
まに日々の生活(たつき)を営んできた。豊穣の年は山の神に感謝の祈りをささ
げ、苦難の年は平穏加護を祈願した。まだ時の流れがゆるやかな頃のことである。
ところが経済拡大という国策の前に、この島で大型チェーンソーの音の止む
気配はなかった。そこでついに、島の若者たちが立ち上がった。原生林保護運動
である。島は保護か開発かの葛藤を繰り返す。その結果、屋久島の進むべき道標
(みちしるべ)が決定した。自立・循環型社会構築のきっかけは、この運動に端
を発する。世界自然遺産への登録は保護運動の成果である。
環境自治体会議屋久島会議は、遺産登録10周年という節目の年に開催された。
この会議に参画した我々は、人々の意志が環境破壊をもたらすこともあれば、自
然が人々を突き動かして環境を守らせることもあることを学んだ。また、地域住
民や事業者・行政が相互につながって、地域の環境保護・改善、さらには地域内
循環に取り組むことが、本来の「環境自治」の姿であることを再確認した。
今日、地球環境は悪化の一途を辿っている。地球環境に負荷を与えないために
は、自治・自立のみではなく、他の地域や地球全体のあらゆる生命とつながって
いることを意識し、行政・事業者・地域住民一人ひとりが地域を越えて連携し、
産業振興と環境を両立させる「維持可能な発展」を実践し、その内容を相互に検
証しなければならない時期に来ているのである。
すべての生命体との共存をめざし、つながろう地球生命圏、めざせ地域内循環
をメインテーマとする屋久島会議に参画した私たちは、互いに連携し情報を共有
しながら、それぞれの地域において地球環境保全のための行動を自ら実践するこ
とを、ここに誓う。
以上、宣言する。
2003年5月30日
第11回環境自治体会議・屋久島会議参加者一同