.2 個別施策分野ごとの取り組み傾向

(1)地球環境 〜庁舎の省エネは進むも、依然地域関連政策は進まず

 庁舎や公共施設における省エネ、自然エネルギーの導入が、昨年に引き続き高い伸び率で推移しているのをはじめ、公共施設への太陽熱・風力など自然エネルギー導入も進みつつあります。一方で、環境共生住宅の建設排熱・融雪エネルギーの導入などの地域の脱温暖化にインパクトのある施策は依然進みにくい傾向にあることがわかります。また法改正の影響からフロンの回収・破壊3自治体減少しており、1昨年から合計11自治体が取りやめたことになります。

 

(2)大気環境 〜公共交通・自転車推進施策がさらに増加。面的規制手段はあまり進まず

 公用車への低公害車の導入低料金公共交通の導入が、昨年度に引き続き増加しています。自転車道路や駐輪場の整備も増える傾向がみてとれました。しかし、新交通システム低公害車相乗りシステム共同輸配送システムといった面的展開の必要な政策には、引き続き進展がみられませんでした。財政的な問題に加え、政策遂行に必要となる連携体制の構築に膨大な労力がかかることから、市区町村単独の取り組みには限界があるようにも思えます。


 

(3)水環境 〜主要施策は軒並み増加傾向

 合併処理浄化槽の普及促進や、河川清掃・水質浄化運動には、会員自治体の8割以上の自治体が取り組んでいます。また水辺環境の整備下水道、合併処理浄化槽の整備、実施率が高くなっています。これらを含め、主要施策は昨年より軒並み45自治体増加しました。

 


(4)自然環境(農林業) 〜自然との共生施策が進展、循環系施策はすすまず

 全国的に地産地消の取り組みが進む中、会員自治体においても有機農業の推進が昨年に続き最も増加率が高く、続いてサル・シカ・クマ等の被害防止・共存対策などの自然との共生施策が増加しています。都市自治体の取組みとしては、苗木の配布区画整理・再開発等による緑地確保事務所ビル・学校などにおける中水道の導入などが進みました。一方、処理水の循環利用菜種油のエネルギー利用などの循環施策は進展がみられませんでした。


(5)廃棄物 〜法改正でグリーン購入、不法投棄対策が引き続き進展

 ごみ分別のための普及啓発はほぼすべての自治体で実施されています。また、昨年大きな伸びを示したポイ捨て・不法投棄の監視徹底グリーン購入の実施が引き続き増加していており、循環六法の制定・改正等によって自治体も対応を迫られている状況がうかがえます。ごみ収集の有料化も昨年より6自治体増えています。一方、BDF生ごみのメタン発酵エコセメント化といった資源再生利用施策は、引き続き突出した増加傾向を見せておらず、模索段階にあることがわかります。


(6)有害物質 〜進む野焼き防止対策。化学物質フリー施設対策は進まず

 排出規制の強化に伴う野焼き防止小型焼却炉の回収、基準をクリアできなくなった焼却炉の使用抑制が各自治体で一層進められました。また、農薬・化学肥料の使用削減についても6自治体増加するなど、進展がみられました。その一方で化学物質フリー施設の整備は依然として取組む自治体が現れない状況です。

 


 

(7)環境行政 〜条例、計画、ISOなどのEMSが着実に普及

 引き続き着実な増加がみられるのは、EMS(環境マネジメントシステム)に関連する項目でした。例年4~5自治体前後の増加数となっているISOの認証取得に加え、事業評価システムを導入する自治体も6自治体増加しました。環境基本条例環境基本計画温暖化防止計画・エネルギービジョンの策定自治体は40自治体前後で並んでいます。しかし計画策定に対する国の補助が三位一体改革の影響で打ち切られる可能性が高く、今後どう推移するか注目されます。


(8)環境学習 〜学校や住民の取り組みが着実に増加

 住民の自主的環境学習会への支援・講師派遣9自治体、学校での課外活動の実施8自治体と着実に増加しました。またイベント・講習会・ワークショップの開催自治体数が、3年連続で大幅な増加を示しています。学校では小中学校で総合的な学習の時間が正式に取り入れられる直前であったこともあり、地域との連携による環境教育の実施の模索が進んだものと思われます。

 


(9)市民参加 〜情報提供や支援が着実に増加

 環境保全活動への職員の積極的参加の奨励8自治体と最も多い増加数となっています。また、地域情報・環境情報の市民への提供住民の自主的環境保全活動への援助地域単位での環境保全行動・活動の誘導・支援なども増加しており、環境情報の提供と住民自治の取り組みが、広く定着し始めたといえるでしょう。