2.共通目標に係わる指標値の現状

@地球環境

◎電気消費量、1人あたり電気消費量(伸び率)

定義:1人あたり電気消費量は会員自治体アンケート調査でお答えいただいた電気消費量をその自治体の住民基本台帳人口で割ったものです。伸び率は、アンケートの結果をもとに、基準年度間の電気消費量の変化率を表わしています。
指標値の現状:99年の会員自治体における1人あたり電気消費量は7,900kwhでした。95年から99年までの一人あたり電気消費量伸び率は、データの揃った34自治体のうち、17の自治体で10%以上の増加になっているのに対し、減少している自治体は4自治体で、減少率はいずれも5%以下です。
見かたのポイント:エネルギーを多く使う産業が立地していると1人あたり電気消費量が大きくなるので、単純な比較はできません。また、会員自治体のなかには風力発電や太陽光発電を導入しつつある自治体も増えてきていますので、この指標を将来にわたり使用するのは不適当といえます。

◎都市ガス消費量、1人あたり都市ガス消費量

会員自治体はLPGが中心の自治体が多く、また都市ガスが通っている自治体でも全戸に普及しているわけではありません。今回は掲載しません。

◎二酸化炭素排出量、1人あたり二酸化炭素排出量

定義:電気消費からのCO2排出量の推定は、電灯は民生部門に、業務用・低圧・高圧・大口・深夜電力は産業部門にふりわけて、それぞれの消費量に排出係数を乗じて計算しています。都市ガス消費からのCO2排出量の推定は、工業用のみを産業部門として、その他を民生部門として、それぞれの消費量に排出係数を乗じて計算しています。運輸部門からのCO2排出量は、各自治体の燃料小売業(ガソリンスタンド)の売上額から推定しました。記入のなかった自治体については事務局において、郡部、都道府県等の値を調査し、自治体ごとの売上額を推計しました。LPG・灯油の消費によるCO2排出量は、各自治体の燃料小売業(その他の小売業)から同様に推定しました。

産業部門からのCO2排出量は、各自治体の産業中分類別従業者数から自治体内の製造業で消費する石油系・非石油系の燃料を推計することによって、算出しました(石油等消費構造統計表などを利用)。それらを合計して総排出量と人口1人あたりの排出量を求めました。

指標値の現状:99年の会員自治体における1人あたりCO2排出量は3トン(炭素換算)でした。95〜98年の変化をみると、運輸・民生各部門からの排出量が増加しているものの、その増加分以上に産業部門からの排出量が減少し、全体で約14%減少しました。
見かたのポイント:自治体ごとにデータの揃い具合が異なっていましたので、完全な比較はできません。いくつかの自治体において独自に算出されている排出量と比較すると、上1桁は一致しているのでオーダーと会員自治体間の相対的関係の把握のために利用してください。

◎庁舎のエネルギー消費量(職員1人あたり、庁舎面積あたり)

定義:役場の本庁舎における燃料消費、公用車の使用などによるもので、電気、ガス、ガソリン、灯油、重油などの消費量を熱量換算して合計して算出しました。職員1人あたり、庁舎面積あたりのエネルギー消費量は、これを職員数、延床面積で割ったものです。
指標値の現状:年次によって把握しているデータが異なる自治体がありますが(例:99年に初めてガソリン消費量を把握した)、会員自治体平均を職員1人あたりでみると、99年はカロリー換算で年間約840万kcalのエネルギー消費となっています。全体として増加傾向ではあるものの、98〜99年の変化をみると、小幅ながら10自治体において1人あたりエネルギー消費量が減少しています。
見かたのポイント:役場の本庁舎における燃料消費、公用車の使用などによるエネルギー消費量については、算出範囲に出先機関が入っている自治体と入っていない自治体があり、また北海道から沖縄までの気候の違う自治体が混在しているので、単純な比較はできません。また、前回は掲載できなかった延床面積あたりの指標も参考に算出しました。

B水環境

◎生活排水処理率

定義:ここでいう生活排水処理率は、下水道・合併処理浄化槽・農業集落排水処理施設による生活排水の処理人口を総人口で除したものとしています。単独浄化槽は含んでいません。アンケート調査で世帯数または基数単位で回答のあったものについては、1世帯または1基あたり3人の利用者がいると仮定として人口に換算しています。
指標値の現状:99年の会員自治体における生活排水処理率の平均は78%でした。地域類型別にみると、99年には都市的地域の処理率が87%となっているのに対し、農業地域は3割以下となっています。95年から99年の変化をみると、いずれの地域類型別にも率は増加しています。
見かたのポイント:一般に生活排水処理率が高ければ、河川などへの水質汚濁物質の排出量は少なくなります。しかし処理率が小さくても排水の絶対量が少なければ、水域の自然浄化能力の範囲内で収まるため問題ありません。また下水道は費用がかさむ上に、エネルギー消費量は大きいので、地域にあった処理方式をとることが重要です。

C自然環境・水循環

◎緑地率

定義:ここでいう緑地率は、森林、原野、公園に、農地や水面を加えた面積の全面積に占める割合をいっています。緑被率とは違い、たとえ裸地であっても敷地の土地利用で緑地とカウントされます。
指標値の現状:99年の会員自治体における緑地率は77%となっており、95年と比べて、4.4%の減少となっています。地域類型別には都市的地域の平均が約65%、山間農業地域の平均が約90%と25%の差がついています。また、個々の自治体について95年からの変化をみると、1%前後の減少を示しているところが多いといえます。
見かたのポイント:一般に緑地率が高いほど豊かな自然環境であるといえます。しかし農地は環境に配慮しない形態での圃場整備や過度の農薬使用が行われている場合には必ずしも自然が豊かとはいえず、公園も人工的な自然である場合がありますので、単純な比較はできません。

D廃棄物・資源

◎一般廃棄物の1人1日あたり収集量、資源化率

定義: 一般廃棄物の1人1日あたり収集量は収集したごみの年間総量を人口と365日で割ったものです。資源化率は資源化量を収集量で割った値を表わしています。会員自治体にお答えいただいた1999年の数値を掲載しています。
指標値の現状: 99年の会員自治体における1人1日あたり収集量は926gで、資源化率の平均は16.5%でした。資源化率については、都市的地域と中間農業地域においては、10%を超えていますが、山間農業地域においては5%以下にとどまっています。
見かたのポイント: 1人1日あたり収集量に関しては小さいほうが、資源化率は大きいほうが良いといえますが、資源化率がいくら大きくても1人1日あたり収集量も大きくては問題です。ごみの発生を抑制するのがまず基本といえます。1人1日あたり収集量はオフィスや飲食店などの事業系一般廃棄物の割合によって大きく異なるため、単純には自治体間の比較ができません。

E有害物質

◎可燃ごみ組成分析結果

定義: 一般廃棄物の焼却に回されるごみにどんな種類のものが含まれているかを表わしています。組成分析は一般に、紙・布類、ビニール・合成樹脂・ゴム・皮革類、木材・ワラ類、ちゅうかい(生ごみ)類、不燃物類、その他に区分けして行われます。
指標値の現状: 99年の会員自治体におけるごみ組成の平均は、紙・布類が49%、ビニール等が18%、生ごみ(厨芥)類が17%となっています。地域類型別の比較では、あまり大きな差異は見あたりませんが、中間農業地域においては、ビニール・ゴム・合成樹脂・皮革類の割合が若干高いといえます。
見かたのポイント: 燃やすごみの中に含まれる燃焼不適物を減らしていくことが、ダイオキシンなどの有害物質の発生を未然に防くことになります。燃焼不適物とは、金属類など、通常燃えないごみや資源ごみに含まれるものを指しますが、プラスチックや塩化ビニール類なども含めるべきだと考えられます。しかしこのあたりは議論のあるところなので、現時点では燃焼不適物の範囲は特定していません。

F環境行政

◎環境マネジメントツール導入状況

定義: 環境マネジメントツールとは地域全体を望ましい環境状態に維持・導くための環境政策の計画、実行、評価、見直しの一翼を担う手段のことです。環境基本条例、環境基本計画、ISO14001など、ここでは17種類のツールの導入状況を、会員自治体にお答えをもとに掲載しています。
指標値の現状: 99年の会員自治体の導入ツール数の平均は3.4で、98年の1.9に比べて1.5の増加となっています。ツール別にみると、もっとも多く導入されているのは「環境基本条例」(26自治体)で、検討中は12自治体あります。次は「環境基本計画」(23自治体)で、検討中は17自治体あります。自治体別にみると、表に挙げたツールをもっとも多く導入しているのは熊本県水俣市(16)、次いで北海道帯広市(15)、福井県武生市(12)となっています。
見かたのポイント: 一般に環境マネジメントツールが導入・制定されていないと、環境マネジメントはうまくいきませんが、導入・制定しているものが多ければ良いというわけでもありません。環境マネジメントシステムの全体像や導入すべきツールも自治体の規模や地域特性によって異なります。

G環境学習

◎学校・公民館などにおける環境学習への参加者数

定義: 公民館や消費者センターなどの市民利用施設、あるいは環境セクションなどの直轄で行っている環境学習講座、例えば講演会、シンポジウム、学習会、観察会、生き物調査、現地・施設見学会を指します。不特定多数が参加する展示会、フリーマーケットなどは対象外としています。また、小中学校における環境学習については、通常の教科のなかではなく、特別活動、郷土学習、生活指導などの一環として行っているものを含めています。さらに地域の清掃活動や集団回収なども含みます。これらの実施状況について、会員自治体にお答えをもとに延べ参加者数(公民館)、1回あたりの参加生徒数(学校)を計算しています。
指標値の現状: 約6割の会員自治体が、公民館等における環境学習についておおよその参加人数を把握しています。延べ参加者数でもっとも多いところは釧路市で2万人以上となっていますが、これは博物館の特別展などを含んでいます。学校における環境学習について、1回あたりの参加生徒数がもっとも多いところは豊中市で5000人以上となっていますが、これはクリーンランド(ごみ焼却場等)への見学者数を含んでいます。
見かたのポイント: これらの環境学習講座の数が増えるほど、地域住民や子供たちの環境学習の機会が増えることを示していますし、参加者数が増えるほど、地域住民や子供たち、先生方の関心が高まっていることを示します。

H住民参加

◎委員会における住民公募委員率

定義: 住民公募委員とは環境審議会、環境問題に関する懇談会、まちづくりに関する協議会など、行政が組織する委員会への参加する地域住民のことです。ここでいう地域住民とは個人としての参加のほか、市民団体(婦人会や町内会など)を含みますが、企業や組合などの連合組織などは除いています。これらの状況について、会員自治体にお答えをもとに整理し、自治体ごとの公募委員の総数を合計委員数で除したものを公募委員率として示しました。
指標値の現状: 公募委員率をみると、阿波町の95%を筆頭に、紫雲寺町(86%)、今立町(69%)と高率の自治体があります。
見かたのポイント: 住民参加がまだまだ形式的な場合が多く、住民の自発的・主体的な参加を促すことが重要です。したがって、公募で委員を募集している割合はその指標のひとつになりうるといえます。

◎パートナーシップ型活動の企画に参加する住民数

定義: ここでいうパートナーシップ型活動とは、環境やまちづくりに関するもの、例えば河川や公園の清掃活動、遊び場やビオトープづくり、まちなみの修復などや、観察会、生き物調査、講演会やワークショップ、展示会などの環境関連イベントの開催を共同で行うものです。ただし、行政がすべてお膳立てをしたものを住民にやってもらうような活動は含んでいません。運営が地域住民に委ねられ、行政が資金や資材を提供する形式のものや、行政が運営しているものでも、企画段階で住民の意思・アイデアが生かされるものに限っています。これらの状況について、自治体ごとの企画立案に参加した延べ住民数を集計しました。
指標値の現状: 数人から百数十人というオーダーでの住民参加が一般的になっています。
見かたのポイント: 環境保全活動はまだまだ行政主体の場合が多く、住民の自発的・主体的な行動を促すことが重要です。したがって、パートナーシップ型活動の企画に参加する住民数はひとつの指標となりうるといえます。